2020年10月


    日本の民話 第416話 あぐりこキツネ



    (出典 pbs.twimg.com)


     むかしむかし、、立派な身なりの男の人が、村の石屋にやってきました。
    「わたしは稲荷神社(いなりじんじゃ)の者ですが、来月の祭りの日までにキツネの石像をつくってほしいのです」
    「来月の祭りの日までというのは、いくらなんでも急すぎますよ」
     石屋さんが断ると、男の人は何度も頭を下げました。
    「急なのは、わかっています。ですが、そこをなんとかお願いします」
    「・・・わかりました。では、やってみましょう」

     石屋はその日から、コツコツと石をけずりはじめました。
     注文した男の人は次の日から毎日のようにやってきて、石屋さんの仕事ぶりを見ていました。
     約束の日までは、半月もありません。
     石屋さんはろくに眠らず、一生懸命に石をけずり続けました。
     そして祭りの前日、見事なキツネの石像が出来上がったのです。
    「おおっ、これは素晴らしい出来だ。ありがとうございます」
     男の人はたっぷりの代金を石屋さんに払うと、そのキツネの石像を何人かの若者と一緒に運んでいきました。

     次の日、石屋さんは自分がつくったキツネの石像を見に神社へ出かけました。
     社の前に置かれた石像を見ると、われながら立派な石像です。
    「うむ。がんばったかいがあった。さて、神社へあいさつをしておこう」
     石屋は社務所(しゃむしょ→神社の事務を取り扱う所)へ顔を出すと、神主さんにあいさつをしました。
     すると神主さんは、大喜びで石屋にお礼を言いました。
    「おおっ、あの立派なキツネの石像をつくってくださったのは、お前さまでしたか。
     朝起きてみると社の前に立派なキツネの石像がたっておったので、誰が置いたのだろうとみんなでうわさしていたのです。
     あそこには何もないので、何とかしようと思っておったのです。
     すばらしい物をいただいて、ありがとうございました」
    「へっ?」
     石屋にキツネの石像を注文した男は、確かに稲荷神社の者と言っていたのに、なんだか話がちがいます。
    「もしかして、あの客は・・・」
     石屋は急いで家に帰ると、男の人からもらった代金を確認しました。
     するとたくさんの代金は、すべて木の葉っぱに変わっていたのです。
    「しまった。あぐりこキツネにやられた!」
     『あぐりこ』というのは土地の言葉で、あきれてしまうという意味です。
     この土地のキツネは畑を荒らすネズミなどを退治して、お百姓たちに喜ばれたりもしましたが、とてもいたずら好きで、この様によく人をだましたそうです。
       おしまい








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