2021年05月


    日本の怖い話 第151話  空から降りてきたごちそう


    むかしむかし、ある山の上に、小さな村がありました。

     ある日、村人たちが畑仕事をしていると、空の上からするするすると、長い長いひもにぶらさがったかごが降りて来ました。
    「はて? 何が降りて来たんだ?」
     みんなは、かごの周りに集まりました。
     かごの中をのぞいてみると、中にはお酒やごちそうがいっぱい入っています。
    「こりゃ、ありがたい!」
     村人たちは大喜びで、お酒を飲んだりごちそうを食べたりしました。
     そしてかごは空になると、またひもがするするすると動いて、かごを空の上へ引き上げてしまいました。
    「不思議な事も、あるものだ。空から、ごちそうが降りてくるなんて」
    「きっと、天の神さまの贈り物じゃ」
    「そうじゃ、そうに違いねえ」
     その日、村人たちは畑仕事をやめて、みんなで酒盛りをしました。

     次の日、畑仕事に集まった村人たちが、口々に言いました。
    「昨日の酒やごちそうは、うまかったなあ」
    「ああ。おら、あんなごちそうを食ったのは、生まれて初めてじゃ」
    「どうじゃ。今日も一つ、お願いをしてみようか」
    「そうじゃ、そうじゃ。だめで、もともとじゃ」
     そこで村人たちは、空に向かって言いました。
    「かごよ、降りて来い。酒とごちそうをどっさり入れて、降りて来い」
     すると空の上からするするすると、ひもにぶらさがったかごが降りて来たのです。
     中を見ると、今度もお酒やごちそうが入っています。
    「さあ、みんな。天の神さまの贈り物じゃ。遠慮無く、いただくとしよう」
     今日もまた、にぎやかな酒盛りになりました。
     そしてかごは空っぽになると、またするするすると空の上へ登って行きました。

     次の日、話を聞いた村中の人たちが畑へ集まって、空に向かって怒鳴りました。
    「かご、降りて来い!」
    「どっさりごちそうを入れて、降りて来い!」
     するとたちまち雲の中からかごが現れて、ものすごい勢いで落ちて来ました。
    「あっ、あぶない!」
     ひゅーーー、どすーん!
     かみなりの様に大きな音と共に、村人たちの前に大きな大きなかごが落ちました。
    「おおっ、こんなに大きなかごが降りて来たぞ」
    「これなら村人全員でも、食いきらんわ」
    「天の神さま、今日もごちそうになります」
     村人たちが大喜びでかごに近づこうとすると、何と、かごから恐ろしい化け物が次から次へと飛び出して来て、
    「おらたちの飯を食ったのは、誰じゃ!?」
    と、怒鳴ったのです。
    「ひぇーーっ! たっ、助けてくれー!」
     村人たちはびっくりして、あわてて逃げ帰ったという事です。
       おしまい








    (出典 pbs.twimg.com)



    【なぜ新垣結衣は星野源と結婚するのか、“黒歴史”から見えてきた「納得の理由」 ・・・・・・】の続きを読む



    (出典 assets.st-note.com)



    【新たな変異株を発見、インド型と英国型のハイブリッド変異株、ベトナムで発見・・・・・・・】の続きを読む



    (出典 cdn.shortpixel.ai)



    【「独身のまま老いていくのが不安」「将来孤独死するんだろうな」 独身40代の不安吐露に共感の声多数 ・・・・・・】の続きを読む



    (出典 newsbyl-pctr.c.yimg.jp)



    【【東京五輪】<国民の怒りがピーク!>「学校行事は中止でなぜオリンピックは開催?」「五輪は4年に1回、修学旅行は一生に1回」 ・・・・・・】の続きを読む

    このページのトップヘ