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1 みつを ★ :2019/10/29(火) 07:45:35.52 ID:y/jLpk729.net

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019102800980&g=soc


「清純派」にとどまらない魅力=戦後芸能史歩んだ八千草薫さん
2019年10月29日07時19分

 気品のある穏やかなほほ笑みの奥に秘められた強さ。八千草薫さんは、宝塚歌劇のかれんな娘役から黄金期の日本映画、そしてテレビへと活動の場を広げ、時には清楚(せいそ)なイメージを破りながら戦後芸能史の最前線を歩み続けた。

 少女時代を戦時下の大阪で過ごし、幼くして父を亡くした。空襲で自宅が焼けたが、「大阪の人は、どんな困難も明るく笑って解決していく力がある気がします。私もそういうところがあるかな」。夢を託したのが「キラキラと華やかな印象があった」宝塚だった。

 祖母が購読していた雑誌「歌劇」で見た男役スターの小夜福子さんに憧れた。新聞広告をきっかけに宝塚音楽学校に入り、戦後1期生として宝塚歌劇団に入団。春日野八千代さん主演の「源氏物語」で演じた若紫などかれんな役どころで人気を得たが、「文福茶釜」の子狸(こだぬき)に起用されるなど、コミカルな素養も持ち合わせていた。

 在団中に映画デビューし、退団してすぐ、反対を押し切って19歳年上の谷口千吉監督と結婚して世間を驚かせた。意志を貫く強さは「清純派」にとどまらない女優としての魅力と歴史に残る作品への出演につながっていく。

 テレビドラマ「岸辺のアルバム」で演じたのは年下の男性と不倫する主婦。浮気をする気持ちが分からないからと最初は出演を断ったが、「(夫とは)別の人を好きになったと思えばいい」と挑戦し、平凡な主婦の内面をブラウン管に映し出して共感を呼んだ。「テレビは思ったものがリアルに出る怖さがある。だから自分にうそをつかないこと」と演じ方の違いについて語っていた。

 舞台にも立ち続け、昨年は老いと家族のきずなを描いた「黄昏(たそがれ)」に出演した。「また次やれるとうれしいなと思うんです」。柔らかな言葉の中に生涯現役を貫く意志がこもっていた。(時事通信編集委員・中村正子)。


(出典 parupunte-life.com)