日本の妖怪 第165話 高女


高女(たかおんな、たかじょ)は、鳥山石燕の『画図百鬼夜行』にある日本の妖怪。
画図では、女郎屋らしき建物のそばで女性が下半身を長く伸ばした姿が描かれているが、『画図百鬼夜行』には解説文が一切ないため、どのような妖怪を意図して描かれたものかは不明。江戸時代の吉原遊廓を風刺した創作との説もある。
民俗学者・藤沢衛彦の著書『妖怪画談全集 日本編 上』では和歌山県の「高女房」という話で、高女は妓樓(女郎屋)の2階を驚かすものと解説されている。また小説家・山田野理夫の著書『東北怪談の旅』では秋田県の怪談として「高女」と題し、やはり高女は家の2階を覗きこむもので、嫉妬深い醜い女が男に相手にされないあまり、遊女屋などの2階を覗いて歩くものとされている[3]。こうしたことから同様に戦後の多くの妖怪関連の文献などでは、高女は男に相手にされなかった醜女が化けるもので、女郎屋などの2階を覗いて人を脅すものなどと述べられているが、これについて妖怪研究家・村上健司は、藤沢の説は石燕の絵から想像したことに過ぎず、山田による怪談は別の話に高女を当てはめたものと指摘している。