社会・経済



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    新型コロナでより深刻度が増した貧困問題、それに追い打ちをかけるインフレの嵐――。ただでさえ厳しい暮らしを強いられている低所得者層の生活が今、インフレによって脅かされている!

    ◆正規雇用者の姿も……貧困転落を防ぐ防波堤、炊き出しに並ぶ人々

     4月23日土曜日。新宿の都庁第一本庁舎の前にある高架下で、認定NPO法人自立生活サポートセンター「もやい」が、生活困窮者に向けた炊き出しを開催した。すでに食料品配布を開始する1時間前の13時には、200人近くが列をなしている。最終的に、男性458人、女性73人の計531人が集まった。炊き出しの主催者で市民活動家の大西連氏は、昨今の現場の様子をこう語る。

    新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、’20年4月から、月2回の開催を毎週に変更しました。当初の参加者は100人前後でしたが、今では平均500人以上が参加しています」

     ボロボロの洋服でいかにもというよりは、小綺麗な格好をし、「本当に生活困窮者?」と思わせる装いをした男女が目立つ。

    ◆見えない貧困が拡大

    「もともとは、失業者やホームレスなど、収入が途切れた人たちを対象にしていました。ですが今や、物価高で生活が苦しくなった子連れのシングルマザーや月収15万円前後の正規雇用者など、想定していなかった層も生活防衛のために炊き出しに訪れています。見えない貧困が拡大し、炊き出しの現場もこれまでとは違った景色になっています」

     インフレによる社会不安が幅広い層に広がり、支援現場の様相を変えている。その実態を探るべく、列に並ぶ人を直撃した。

    ◆僕のようなホームレスは少数派

     独身の大沢幸弘さん(仮名・59歳)は、9年前に親の介護のため、それまで勤めていた商社を退職し、時間の融通が利くという理由から「なんでも屋」を開業した。だが、新型コロナが直撃、収入が途絶えたのをきっかけに、住んでいた首都圏郊外の賃貸アパートを引き払い、上野界隈でホームレスを始めた。今から9か月前のことだ。

    「思うように収入を伸ばせず、貯金も底を突いた。張り詰めていた糸が切れて、家族に何も告げず、人目を避けるように家を飛び出しました。姉弟も余裕があるわけではなく、僕が住んでいた地域は閉鎖的だったので、生活保護を受給したら家族全員が白い目で見られてしまうから頼れませんでした」

     収入のない大沢さんは、さまざまな炊き出しで食料を調達し、飢えを凌いでいる。

    「どこの炊き出しも、僕のようなホームレスは少数派。むしろシングルマザー、学生、非正規社員、年金生活者など、家計の節約のために来ている人のほうが多い」

    ◆バスを乗り継いで来たタワマン在住の男性

     家のない大沢さんとは違い、谷岡友和さん(仮名・61歳)は、間取り2LDKの、湾岸エリアのタワマンで独身生活を送っている。大手鉄道会社に正社員として入社した彼は、4000万円のマンションを10年ローンで購入し完済している。だが、10年前に社内のいざこざに巻き込まれて、警備会社に転職。現在は、同社でシニア枠の正社員として働き、月の手取りは14万円ほどだ。

    「家賃はゼロですが、エネルギーの高騰で今冬の月の電気代が例年の1.6倍、1万円まで跳ね上がった。年齢的にも、夏や冬はどうしても冷暖房がないと辛いので、電気代の高騰はかなり痛い。ほかにもバスのお得な紙式回数券の販売中止など、目に見えない値上げやコスト増が家計に響いている」

     さまざまな物価高の影響で出費が増大。貯金に回す余裕はない。

    「年金は年間200万円くらいなので今より生活が良くなることはない。インフレが続くと、もう削れるのは食費とNHKの受信料くらい。だから昨年9月から定期的に一日バス乗り放題の乗車券500円で買って、複数の炊き出しを回って食費を浮かしています。今日の炊き出しは3食分になるので、コスパ最高です

    ◆正社員採用も初任給までの食費が足りない

     SEとして正社員採用され、先月4月に関西から上京してきた吉田陽介さん(仮名・24歳)も、節約のために炊き出しを頼る一人だ。

    「初任給(額面18万円)が振り込まれるのが5月末。それまで全財産の2万円で凌ぐしかない」

     少しでも家賃を抑えようとボロアパートを借りた。だが、IHが壊れていて自炊ができず、この物価高の影響で食費がかさんでいる。

    「携帯代、光熱費などを考えると使えるお金はほとんどない。うまい棒コーンポタージュ味をお湯で溶かして飲んでいましたが、1本12円になっていて2円の重みに震えています。この後、池袋の炊き出し場に自転車で向かいます」

    「正社員でもお金がなくて今、困っているから受けられる支援は遠慮なく」と、炊き出しに気軽な気持ちで訪れたという。

    ◆“貧困”に転落させない

     炊き出しが今や“貧困”に転落しないための防波堤であり、家計節約術にもなっているのだ。

    【市民活動家 大西 連氏】
    認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長、新宿ごはんプラス共同代表。著書に『絶望しないための貧困学』(ポプラ社)など

    <取材・文/週刊SPA!編集部>

    ―[インフレ直撃![低所得層]の苦境]―


    「コロナで困窮しました。ホームレスをしていると知られたくないので、家族とは連絡を断っています」(大沢さん)


    (出典 news.nicovideo.jp)


    <このニュースへのネットの反応>




    ロシアによるウクライナ軍事侵攻から100日を超え、各国が軍事費や防衛費を引き上げするなど国防意識が高まっている。統計データ分析家の本川裕さんは「『国のために戦いますか』という問いに、日本人が『はい』と答えた率は世界最低の13%でした。調査を時系列で見ていくと、50歳以上の中高年の国を守る気概が下がっていることがわかった」という――。

    ■世界を覆う戦争の影

    ロシアによるウクライナ軍事侵攻が始まって以来、戦争の影が世界のどこにおいても強く意識されるようになった。そうした中で、NATO諸国が軍事費の対GDP比目標を2%以上に引き上げたのにならって、中国の台湾侵攻や海洋支配拡大、ロシアの対外膨張への懸念を深める日本も同様に防衛費を増額するといった動きが見られる。

    しかし、こうした状況変化は本当にロシアによるウクライナ軍事侵攻によるものなのだろうか。あるいは、むしろ、世界で広がる国防意識の高まりに刺激されるかたちでロシアによるウクライナ軍事侵攻もそれへの各国の反作用も起ったのではなかろうか。

    この点についての見通しを得るため、今回は、1981年から実施されている世界価値観調査(※)による「国のために戦いますか」を調べた結果をよく検討してみよう。

    ※世界数十カ国の大学・研究機関の研究グループが参加し、共通の調査票で各国国民の意識を調べ相互に比較する「世界価値観調査」が1981年から、また1990年からは5年ごとの周期で行われている。ただし、最新調査は前回調査から7年経過した2017年からはじまった。各国ごとに全国の18歳以上の男女10002000サンプル程度の回収を基本とした個人単位の意識調査である。

    同調査では調査開始以来、「もし戦争が起こったら国のために戦うか」という問を継続的に設けている。図表1では、この設問に対する各国の最新の回答結果を示した。日本語での設問文の全文は「もう二度と戦争はあってほしくないというのがわれわれすべての願いですが、もし仮にそういう事態になったら、あなたは進んでわが国のために戦いますか」である。各国の調査票も同様である。

    「はい」の比率が日本の場合、13.2%と、世界79カ国中、最低である。「いいえ」の比率は48.6%と6位である(「いいえ」の1位はマカオの59.0%)。

    「いいえ」が「はい」を10%ポイント以上上回っているのは、値の大きい順に日本、スペインマカオスロバキアアンドラリトアニアの6カ国である。第2次世界大戦の敗戦国側か、戦争との関係で複雑な経緯を抱えているという共通点をもつ。

    前回(2010年)調査では、やはり敗戦国だったイタリアドイツも「いいえ」が「はい」を10%ポイント以上上回っていた。もっとも、今回イタリアの差は縮まった。ドイツに至っては2つの回答が逆転し、「はい」が「いいえ」を上回るに至っている。

    もし戦争が起こったら国のために戦うかどうかという点に関する国民の意識に先の世界大戦が如何に大きな影響を与え続けているかがうかがわれる。「戦争はもうこりごりだ」という感情が強いためと単純にとらえられる側面が大きいのである。

    正義感から戦場でこそ役割を果たしたいと、2010年に、志願して国際治安支援部隊(ISAF)の一員としてアフガニスタンにいった元ドイツ軍歩兵はそう考えるに至った過去をこう振り返っている。

    ドイツでは第二次世界大戦の苦い経験から、兵士の仕事を批判的にみる人が多い。でも、僕は子どものころから兵士になりたかった」(東京新聞2016年3月25日

    日本でもやはり自衛隊は社会的評価がかつては今よりずっと低かった。敗戦国に共通の心情があるのだと考えられよう。

    もっともドイツは、「はい」「いいえ」の割合が、前回(2013年)の41.7%対54.4%から、今回(2017年~18年)、44.8%対40.6%へと逆転しているのが印象的である(後段の図表2参照)。敗戦国意識から徐々に抜け出し、EUリーダー国として国家意識が高まっているとも見られる。

    日本の場合は、敗戦国だという事情に加えて、日本国憲法が他国の憲法にない戦争放棄条項を有しており、憲法に対する遵法精神の上からは、この問は答えにくい内容をもっているといえる。日本は、「はい」が一番少ないだけでなく、「わからない」が38.1%と世界で最も大きい値を示していることからもそれがうかがわれよう。

    第2次世界大戦の敗戦国、および戦争放棄条項をもつ憲法を有する国ということから、こうした回答結果となっているのであって、日本の若者が軟弱になっているからといった素朴な見方はあてはまらないことが、こうした国際比較から分かる。日本だけの調査結果であったら、「はい」と答えた者の少なさの理由として、日教組の影響、若者の軟弱さ、愛国心の欠如などが挙げられた場合、そうかもしれないと誰もが思ったであろう。

    逆に、「はい」の比率の高い国は、第1位はベトナムの96.4%であり、第2位以下は、比率の高い順にヨルダンキルギスバングラデシュ、中国、フィンランドインドネシアパキスタンである。ほとんどがアジアや中東の発展途上国である。

    中国は、後にも見るように「はい」の値が前回の74.2%から88.6%へと14.4%ポイントも増加している。日本の隣国の大国なので無関心ではいられない。

    欧米先進国は、ノルウェースウェーデンフィンランドデンマークといった北欧諸国がかなり上位なのを除くと、フランス、英国、米国、オーストラリアオランダといった順でほぼ中位の水準にある。日本の「はい」の低さの原因の一つとして、経済先進国だからという点も挙げられよう(解釈次第では、経済的に豊かなので敢闘精神が欠如している、あるいは命の値段が高くなっている事情があるとも言えよう)。

    なお、共同防衛というより個別防衛を国是とし、そのために「国のために戦う」意識の強かった北欧諸国もロシアによるウクライナ侵攻を受けて次々に防衛政策の歴史的な転換を図っている。

    すなわち、スウェーデンフィンランドは、ロシアを不必要に刺激しないようNATOに加盟せず、個別に国を守るという方針を転換し、NATO加盟を申請するに至っている。またデンマークNATO加盟国でもEU加盟国でもあるにもかかわらず、これまでEUの共通安保・防衛政策に対しては適用除外権を行使していたのであるが、新たに共通政策に加わることとなった。

    ■世界金融危機以降に低下から上昇へ反転した国防意識

    それでは、「国のために戦う」という国防意識は、これまで、日本やその他の国でどう変化してきているのであろうか。この点を次に観察してみよう(図表2参照)。

    ここで、調査時期について、例えば、「2017年期」と呼んでいるのは、同じ調査票が使用される調査回(原資料ではウェーブと表現)について2017年に最初に多くの国で調査されたからである。それ以前の年期も同様である。

    まず、日本の結果については、毎期、「はい」が10%台半ばでほとんど回答傾向に変化がないのが大きな特徴である。

    対照のために掲げた各国の結果のうち、例えば、韓国の推移を見ると、日本と比較して「はい」が多く、「いいえ」や「わからない・無回答」が少ない点は、毎期、変わりがないが、時系列的には、「はい」が8割水準から6割台へと減少し、「いいえ」が1割から3割へと増加するという傾向的な変化が認められる。

    韓国以外の主要国の結果をざっと見渡してみても、日本ほど傾向的な変化が認められない国はない。

    多くの国で共通しているのは、ソ連邦が崩壊し、冷戦が終わった1990年期をピークに国防意識が低下傾向をたどっていたのが、リーマンショック後の世界金融危機が起った直後の2010年期をボトムに反転している点である。

    冷戦の終焉によって自由主義陣営と共産主義陣営との武力対立から解放され、戦争の危機がとりあえず去ったと意識された結果として国防意識が弱まっていったことは、なるほどと納得できる変化だったといえよう。

    しかしながら、世界金融危機後の2010年期をボトムに再度、国防意識が各国で反転、上昇に転じた理由については、必ずしも明確ではない。

    私見によれば、こうした転換が起ったのは、世界金融危機を契機に、グローバリゼーションがもたらす経済成長によって皆が豊かになるという「プラス面」が後退して、貧富の格差、産業空洞化、移民問題、国際テロ、地球環境の悪化などグローバリゼーションの「マイナス面」ばかりが目立つようになり、弱まりつつあったナショナリズム意識が多くの国で復活し始めたからだと考えられる。

    英国が2016年に国民投票でEU離脱を選択し、翌2017年に米国で「アメリカファースト」を掲げるトランプ政権が誕生したのがそれを象徴する二大事件だったといえよう。

    世界価値観調査の結果には影響していないが、直近では、グローバリゼーションマイナス面として、新型コロナなど国際感染症パンデミック脅威がさらに加わっている。

    軍事侵攻とそれへの反撃が続いている当事国のロシアウクライナの国防意識の動きを見ると、今回の軍事侵攻を予見するかのように、両国とも2010年期から2017年期にかけて国防意識がかなり明確に反転、上昇しているのが目立っている。

    こうした世界的トレンドとは、ほとんど関わりない日本人の意識の推移については、やはり、上述の要因に規定された特異なものと見なさざるを得ないだろう。

    ■問題は最近の「若者」ではなく「中高年」である

    最後に、こうした各国の国防意識の変遷を年齢別の意識の推移からとらえ直してみよう。

    日本の低い国防意識について「最近の若者は国を守る気概に欠ける」などと表現されることが多いが、本当だろうか?

    確かに、日本の2017年期の男女別、年齢別の結果を見ると、「国のため戦うか」への「はい」の回答率は、女性より男性、また若年層より高年層のほうが大きい(図表3参照)。

    ところが、時系列推移を見ると(図表4参照)、若年層(30歳未満)の回答率はほぼ横ばい(10%前後)であるのに対して、高年層(50歳以上)の回答率は大きく低下してきており(1981年期31.8%→2017年期16.6%)、両者の差は大きく縮まっている。

    1981年期には、若年層の11.5%に対して高年層は31.8%と2.8倍だったが、2017年期には、8.8%に対して16.6%と1.9倍にまで縮小しているのである。つまり、「最近の若者は国を守る気概に欠ける」のではなく、「最近の中高年は国を守る気概に欠ける」のである。

    これは、「戦後民主主義」の洗礼を受け、戦争は悪と叩き込まれた団塊の世代が、若い頃の精神を保ちながら中高年の域に達したからであることは言うまでもない。選挙の票数は中高年のほうが圧倒的に多いので、保守党があまりに国防の強化にとらわれると痛い目に遭うだろう。

    年齢計の「国のために戦う」回答率に年次変化が認められないのは、従って、相対的に国防意識の高い中高年の割合が高まって回答率を押し上げる効果を中高年自体の国防意識の低下が相殺しているからだと分かる。

    世界は日本とは大きく異なる。「最近の若者は国を守る気概に欠ける」という言辞がまさしく当てはまっているのは米国である。米国では、日本とは逆に、中高年の国防意識が横ばいであるのに対して、若年層の国防意識はまさしく低下傾向をたどり、2017年期にも反転していない。

    また、韓国やロシアでは、年齢によって異なる方向を向いているということはなく、若年層も高年層もほぼ同じ起伏の国防意識推移を示している。

    ロシアについて特に目立っているのは、常に、若年層の国防意識が中高年の国防意識を上回っている点である。確かに、こうした若年層の「国のために戦う」という意識の高さがなければ、さすがのプーチン大統領ウクライナへの軍事侵攻には踏み切れなかっただろう。

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    本川 裕(ほんかわ・ゆたか
    統計探偵/統計データ分析家
    東京大学農学部卒。国民経済研究協会研究部長、常務理事を経て現在、アルファ社会科学主席研究員。暮らしから国際問題まで幅広いデータ満載のサイト「社会実情データ図録」を運営しながらネット連載や書籍を執筆。近著は『なぜ、男子は突然、草食化したのか』(日本経済新聞出版社)。

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    (出典 news.nicovideo.jp)


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